2011年11月22日火曜日

邦画を彩った女優たち「ひとりを生きる 大原麗子」

平成23年11月22日(火) 晴れ

天気予報どおり朝は今年一番の冷え込みだった。冷え込みという言葉を使うのはまだ早いような気もする。今から安直に「冷え込み」を使っていると、真冬になってから本当に冷え込んだ時、冷たさの伝わり方に厳しさが欠けそうだ。

きのう録画していたNHKBSプレミアム『邦画を彩った女優たち「ひとりを生きる 大原麗子」』を見た。見ている途中で目頭から何か水のようなものが出てきた(笑)。

切ない人生だったろう。私より五歳上のお姉さんだが、あの人はかわいい。人をいとおしくさせる不思議な、他の女性に置き換える事のできぬ魅力がある。

大原麗子のサントリーCM「すこし愛して、なが~く愛して」は当時男達の心を鷲掴みにして今もその面影は多くの人の胸に刻まれていると思う。

放送の中で共演者の石坂浩二の回想が心に残った。

高倉健主演の映画『居酒屋兆冶』の「さよ」という役で、撮影が終わった後も「さよ」が、体から抜けないと大原がもらしたことについて、それは本来の隠していた自分を演技として使ってしまったからだ、と。

この映画は昔封切りで観た。 原作は山口瞳で兆冶というのは野球の村田兆治の名に由来すると山口が書いている。

高倉扮する居酒屋の主人、兆冶の元恋人役でお互別々の所帯を持っているが、「さよ」は兆冶のことを忘れられず家庭を捨ててしまう。しかし、兆冶には妻がいて結ばれることはかなわない、後戻りも出来ぬ中破滅の道を進むしかない哀しい女を美しく演じた。

大原自身、等身大の自分に重なることが多い役だったのだろうと関係者が語っている。

あの甘えたかと思うとプイと横を向いてしまうような仕草が何とも魅力的な人だった。

亡くなられて早や二年という。もっと楽な生き方暖かな生き方が出来た人だったろうに孤独のなかで死んでいった。

人は理屈では分かっていても性分でどうしても出来ぬことがある。

あらためて大原麗子さんのご冥福をいのります。 合掌



こういう顔がかわいい人だった





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