2011年10月28日金曜日

平成23年10月28日(金) はれ

 北杜夫が亡くなられた。著名人なので敬意を払い呼び捨てにさせていただく。
初めて氏の著作にふれたのは、『どくとるマンボウ昆虫記』だったように思う。

本に書かれてあるウスバカゲロウの話。彼が小さい頃の話として【幼い頃からその名前だけは知っていた。しかし、ウスバカゲロウが「薄翅蜻蛉」であるとはつゆ知らなかった。てっきり「薄馬鹿下郎」だと思いこんでいた。そいつはのろのろと飛び巡り、障子にぶつかってばかりいたからだ。今となっても、「薄馬鹿下郎」の方がどうしても私にはぴったりする】

私がたしか中学生のころだったがその軽妙なユーモアになんと頭の柔らかい少年なんだろうと強く印象に残ったのを憶えている。しばらくして読んだ『怪盗ジバコ』は、着想の奇抜さスケールの大きさに圧倒された。

この『怪盗ジバコ』の後発で、モンキー・パンチの『ルパン三世』が世に出る。『怪盗ジバコ』が、人気シリーズになった『ルパン三世』の以前にパイオニアワークとしてこのジャンルを拓いたと感じているのは私だけではあるまい。この作品の挿絵は谷内六郎だった。今の若い人は谷内六郎をほとんど知らないのではないかと思う。子供の声で「週刊新潮はあした発売です」のCMは昭和20~30年代生まれなら分かるはずだ。その週刊新潮の表紙の絵が谷内六郎だった。

北杜夫は作家と精神科医の肩書きがある。同世代には、なだいなだ・加賀乙彦など同じ肩書きをもつ作家がいる。なだいなだは精神科医としての著作が多く、加賀乙彦は精神科医としての体験を下敷きにした小説が多い。どちらも好きな作家だ。

加賀乙彦の「頭医者シリーズ」は軽いので好きでよく読んだ。しかし、加賀の『宣告』は重い。20代後半に読んだが、死刑肯定か否定かというテーマを突きつけられる重い内容に、今も悩ましい。

話が飛んだが、北杜夫の「どくとるマンボウ」シリーズは面白くて大好きだった。 合掌

そうそう昨日は、突然店を休んでしまい申し訳ありません。
実は鬼の霍乱、カミさんが風邪を悪くして起きられなかった。急だったので人の手配もつかず仕込みも間に合いそうになかったので、仕方なく閉めることに。Orz

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