2011年10月8日土曜日

開店10年目

平成23年10月8日(土) 晴れ

この11月で三鷹の地で立ち飲み屋を始めて10年になる。
これも一つの区切り、記念として店ブログを書いてゆくことにしよう。

笑門のお客様は、リピーターが多い。常連とか固定客といった乾いた表現では何かそぐわなくて
「お馴染みさん」が一番しっくりくる。開店以来の古いお客様も複数いらっしゃる。

開店当時私は、まだ会社勤めの二足の草鞋だった。その会社は青山を中心に都心にフレンチレストランなどを5店舗展開する小規模であるが活気のある会社だった。名ばかりの取締役ではあったが
商法上、役員が同業種を個人的に起業する事は問題があるのだが、役員会の承認を得て開業した。

若い頃はホテル勤務、所帯をもってからは青山の「ポワロー」というフレンチレストランで80年代半ばから90年代にかけてバブル華やかな時代を過ごした。といっても世の中が華やかなだけであって、自らの生活が華やいだわけではない。

なぜフレンチから立ち飲み屋に変身したか?

答え 自分が入って飲みたい店を作りたかった。

まあ単純なもんだ。都心で妙にすました仕事をしていると、自分じゃなくなるのだ。
人は仕事や家庭、友人などそれぞれの場面、状況でその立場の役割を演じて生きているのだが
誰だって人知れず疲れていることはある。飾らずにくつろげる空間が人には必要なのだ。

そんな思いを込めて「大人の酒飲みのサンクチュアリ(聖域)」を目指した。店の内装もあえて手を加えず極力気取りを排した。もちろん手を加えようにも予算がなかったが(笑)。

昭和の家庭の茶の間の雑然とした安心感、これです、これ。目指したのは。

10年やってきて、まだまだ足りない面が多いと思うが色々な方と知り合えて楽しい日々だ。

ありがたいことに笑門はものすごく客筋が良い。みなさん紳士的で、いや、もとい、みなさん紳士でお店としては本当に感謝しております。


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