2012年2月16日木曜日

平成24年2月15日(水) 小雨のち曇り

水曜日深夜楽しみにしている『孤独のグルメ』を観る。今回は吉祥寺なので興味は特別だ。第一ホテル向かいの「カヤシマ」という店だ。看板に〝ランチ&お酒と食事の店〟とあり、内装は喫茶店だが営業形態は洋食屋兼居酒屋という様子で、カテゴライズすることが無意味な昭和のおもむき満載の店だ。壁には焼酎やつまみの札がびっしり貼られ、その上から音楽会の案内や写真同好会の展示を遠慮無く飾ってあり、なんでもありみたいだ。

番組の中でオーナーが、「元はコーヒー専門店だったのが、食事を出しお酒をおき、カラオケを置いていたこともある」と話されていた。コンセプトなどという横文字が虚しく響く。水は方円の器に従うを地で行っている。ここまでくると、ある意味、禅である。

メニューの一例だが、ナポリタンとシュウマイと味噌汁がセットになっていて、ライスを付けることもできる。白いご飯を食べながら、ナポリタンを箸でずるずると掻き込む、考えただけニヤリとなる。昭和のおっさんのツボを押さえている。いいなあ、パスタは音を立てずに食べるなど無縁の自己解放の世界だ。

パスタという食べ物を無音で食する、というのは元々日本文化には無いものである。平成生まれは知らぬが、われわれおっさん世代はうどんや蕎麦をすする感覚で食べることが一番楽なのだ。しかし街の飲食店でパスタを食べる場合(スパゲッティではなくパスタね)、それも女性がいる場面では、なるべく音を立てぬよう意識する。他人に粗野な人間ではないと、どこかで思われたい、ささやかな印象管理で己を律しているのだ、オッサンは(笑)。

少し調べたら店主の方は、私と同学年みたいだ。利用させてもらったことはないが、多分中高年層には人気があるのではないかと思う。

これを書いていて4年ほど前に行った四国のうどん屋に流れていたゆる~い時間を思い出した。



「用があったら声かけて」と言って店の人も新聞を読んだりしている。兄とドジョウうどんをつつきながら、おでんでビールを飲む。ここは香川県の長尾にある「いこい食堂」というローカルな店だ。ブームが続くさぬきうどん巡り店からはずれているのが良い。

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