2012年2月7日火曜日

平成24年2月6日(月) くもり時々雨

遅ればせながら以前録画していた『おくりびと』 を観た。アカデミー外国語映画賞を受賞するなど評価の高い作品だったので気にはなっていた。しかしそのうち、と思っていると結局見逃してしまう事が多い。購入したまま積ん読の本もいまだにある。

『おくりびと』は死者を扱うという重い設定だが脚本は軽妙な部分を配しバランスをとってある。主人公がチェロの職業演奏者としての道をあきらめ人生を模索していく課程を映画は描いている。その課程でたまたま飛び込んでしまった葬儀社の「納棺師」に新たな生き甲斐を見いだしてゆく物語だ。主人公を演じた本木雅弘や山崎努のうまさは安定している。観る前にアカデミー外国語映画賞受賞というバイアスな情報はあったが、肩の力が抜ける良い作品だ。友人や父親との複雑な和解などがサブテーマであろうが主題は主人公の挫折した人生のやりなおし、人生の自己実現の希望の物語である。

私も両親の納棺に立ち会った事があるが、映画のような美しい所作で納棺していたはいなかったと思う。もっとも実際身内の場合、場所が病院であったりして、映画のような家の座敷で冷静にその有様を凝視しているわけではないので確かではない。

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