2012年6月18日月曜日

平成24年6月17日(日) 晴れたり曇ったり

邦画DVDを二本まとめて観た。『油断大敵』と『孤高のメス』の二作だ。これには繋がりがあってどちらも監督が同じだ。成島出(なるしま・いずる)という監督の作品で、昨年の話題作『八日目の蝉』の監督といえば判りやすいと思う。

『油断大敵』(2003)はこの監督の初メガホン作で、もうひとつパッとしない刑事役の役所広司と老練な泥棒役の柄本明を軸に犯罪物でありながら陰湿さを感じさせぬ演出でまとめている。

『孤高のメス』(2010)は腐敗した総合病院に赴任した米国帰りの凄腕外科医(堤真一)の活躍を看護婦(夏川結衣)の視線を通して回想形式に物語が進む。

この監督の映像に共通するのは、風景の暖かみだ。地方の町のありふれた風景、田舎ののどかな風景などを随所にうまく配置している。

『八日目の蝉』のときもそうだったが、世の中の現実に起こる不条理、救いのない悲劇、やりきれない人の思いが瀬戸内の美しい風景を重ねることにより、切なさが増幅されていた。

実は今の時点でここには書けぬが、この監督の作品に興味を持つ機会があり取り急ぎ何作かを押さえておこうと思ったのだ。近いうち、なぜ唐突にこの監督に興味を持ったかを明かせると思う。






0 件のコメント:

コメントを投稿