2012年7月28日土曜日

平成24年7月27日(金) 晴れ時々曇り

今日は土用丑の日である。わざわざ「である。」と強調気味に書くのは、鰻の高騰が背景にある。そうでなくとも、もともと四角蓋付きの塗り箱で供される鰻重は庶民的な感覚では、日常の食べ物ではなく何か張り込んだ特別感がある。

私の若い頃の話。阿佐ヶ谷の鰻専門店でランチ鰻丼を注文したとき、鰻丼であるから当然どんぶりで供された。で、どんぶりの蓋をとった。白いご飯の上に鰻が乗っかっているものと思いきや、鰻とおぼしき面影はなく、ご飯にタレがかかっているのを認めるだけだった。店が鰻を乗せるのをうっかり忘れたのではないかと一瞬心配になったが、なんとなく視線が左手に持っているの蓋の内側に入った。そこで私は安堵と落胆を同時に味わうという、それはもう見事なまでの薄さの小さな鰻がへばり付いているのを発見したのだ。私はそれ以来ランチの鰻丼を食したことはない。

私個人は鰻の蒲焼きの旨さは関東圏のものが好みだ。私は西日本(香川)出身であるので、東西の食文化の違いは肌で判る。どれをとってもその土地の風土に根ざしたものでそれぞれに味わいがある。

店に来る前、15時過ぎ、持ち帰り鰻「豊駒」の前を通る。予想通り行列になっていた。ここは三鷹駅北口から武蔵境方面に向かい玉川上水沿いに行くとコンビニ「7-11」の向かいに在る。専門店であるので安くはないが、ここの鰻を知らずして鰻を語る無かれ、という水準の名店である。





店に着くとカミさんが、まかない用の中国産鰻蒲焼きを用意してくれていた。スーパーで売っている中国産鰻もずいぶん高くなったが、おいしく食べるコツはある。以前NHK「ためしてガッテン」でも紹介していたが、加工製品の鰻をおいしく食べる最大のコツは、熱湯で洗うことである。私は小鍋に入れて沸かすくらいやる。もともと硬い肉の鰻を蒸すという工程で柔らかくするのであるから、一度締まって固くなったものを、湯でもどすのは合理的なのだ。繰り返すがこの熱湯がコツである。柔らかくもどれば、水気をキッチンペーパーで拭き取り、あとは日本酒を振りかけ電子レンジでさらに風味を加え、タレをかければ、家で食べる最高の鰻ができあがる。


「まかない鰻」ではあるが、工夫次第で本当においしく食べられる。
ここのところ夜更かしになっている。オリンピック仕様ではないのだが。

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