2016年11月21日月曜日

平成28年11月18日(金) 晴れ 戸隠(とがくし)

9時35分善光寺参道の八十二銀行前バス停「権堂入口」から戸隠行急行バスに乗る。


戸隠(とがくし)は急峻で有名な戸隠連山の麓に拓かれた、五つの神社の修験と信仰の地である。平安初期より山岳密教の霊山として知られ、鎌倉時代には高野山、比叡山にも匹敵する「戸隠三千坊」と比喩されるほど栄えたそうだ。

下から宝光社、火之御子社、中社、九頭竜社、奥社と五社あるが、大きく別ければ標高が違う三つの場所にあり、すべて短時間で廻るのは車がないと難しいから、今回はバスで行けるところの一番標高の高い奥社と九頭竜社に参拝し、宿泊場所の中社に戻り、後は断念して、そこから鏡池を観に行こうという計画である。

10時40分バス停奥社入り口に到着。そこから奥社まで片道2km往復4kmの参道を歩くことになる。
最初に書いておくが、これがなかなかのクセモノでゆるいだらだらの上りが次第に勾配がキツくなり息が切れるという、さすが簡単には人を寄せ付けぬ修験信仰の神社であることが判る。



ときどき熊注意!の標識が立っている。東京の奥多摩でも今年は多いが、この界隈は念のため気をつけてください的なぬるい案内ではなく、不気味さは真に迫っている。



隋神門を越えると樹齢400年の巨大な杉並木が現れる。空気も一段と冷たくなる。
荘厳さが加わり、大気が澄み切っている。真冬の雪景色を観てみたくなる。


途中の登山口分岐。


多少、山を歩く者なら知っている難関コース戸隠山への道。


下のような所が延々と続く。落ちたらおしまい。上級者以外は山に入ってはいけないのにスキルオーバーで跨がったまま動けなくなる人続出らしい(笑)。笑い事じゃなく実際に事故も多いと聞く。

参考写真(ネットで拝借でごめんね)

だんだん山が近くなってきて神社への道も険しくなり最後は登山と変わりなく階段のきついこと、ようやく九頭竜社が見える。


下の写真が奥社。雪崩に遭い古い社殿が倒壊したためコンクリート製になったそうだ。冬期は危険なため、閉鎖される期間があるようだ。


奥社の辺りは標高1350mあり、昼前でも日陰の手水鉢の水が凍っていた。まだ身を切るほどはないが冷気が刺してくる。


下りは早い。ちょうど下りのバスに間に合い中社まで戻る。中社は鳥居の先の階段を上ってすぐなので明日寄ることにする。


ちょうど昼時、新そばの季節で、この「うずら家」という店は凄い行列だった。


並ぶのが嫌いな私たちはとりあえず宿に荷物だけを置いてもう一度通りかかると行列はさらに増えていた(笑)。

築150年茅葺き旅館「横倉」
今夜の宿はトイレも共同で高級とはほど遠いが、飲んで寝るだけであるから雨露と寒さが凌げればよい。昭和の人間なら楽勝である(笑)。

近くに蕎麦の店はいっぱいあるので良さげな所に入る。



蕎麦音痴の私でも新そばの香りの高さは判った。なるほどね、これが有名な戸隠新そばの醍醐味か、「シン・ソバ」納得。

さて鏡池であるが中社からは上りの歩きで4km以上はありそうだ。バスは時間が合わないし合ったとしてもバス停からは2kmはあるからそんなに歩く元気はなく中社前に個人タクシーがあり、往復を行ってもらうことにする。今回の旅の目的は田中君と遊ぶことであって山歩きではない。


10月半ばの紅葉シーズンは大渋滞になりマイカー規制だそうだ。大河ドラマ『真田丸』のタイトル前の冒頭シーンわずか2秒が戸隠連山であるが、それがさらに混雑の原因になっている。

左から西岳、将棋の駒のように尖っているのが本院岳、中央に切れ落ちて右にかけ上がり八方睨、戸隠山、九頭竜山と続く。

その後、宿近くの「神告げの湯」という日帰り温泉に入り宿に戻る。


今回は一泊二食ひとり7200円(税込)と今どきあり得ないような破格の値段。ま、旅館というより民宿と思えばそんなものか。飲んで寝るだけなので贅沢は言いません。


戸隠の夜に山の冷気が下りてくる。

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