2013年4月24日水曜日

平成25年4月23日(火) 晴れ

「オール読物」5月号を買う。文芸雑誌を買うことはほとんどないが、新聞広告に載っていた今月号の内容紹介で「作家の手紙」を特集しているのを知った。池波正太郎を筆頭に有名作家の個人的な手紙そのものや、その手紙にまつわるエッセイなど多数あり興味深いので買うことにした。

私たちは、作家の作品に触れることはあっても、その作家個人の生の人間性に触れる機会は、知り合いや出版社など職業的繋がりでもない限りまずないので、楽屋裏をのぞくような気分である。

角田光代が桑田佳祐にもらった手紙に感激した話や、寺山修司と田口ランディが交流があったことなど、初めて知る裏話はとても面白い。

中でも、松本清張が当時駆けだし作家の杉本章子に宛てた手紙は、松本清張の人柄もあわせて私個人的に参考になる内容であった。

この手紙で清張は杉本に、時代物で江戸っ子を書くなら、岡本綺堂の半七捕物帳を引き合いし、アドバイスをしている。松本清張の綺堂好きは私でも知っていたが、大作家になっていた清張が若手のアドバイスに引用するくらいだから余程心酔していたのだろう。

岡本綺堂はネットの青空文庫で著作権フリーなので自由に読める。宝の山である。


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