2015年6月26日金曜日

平成27年6月25日(木) 晴れ

早めにブログの更新をして9時半に三鷹を出て上野に向かう。

いきさつを書くと長くなるので書かないが、カミさんのお伴をして東京芸大奏楽堂のモーニングコンサートを聴きに行く。上野駅の公園口を降りて歩く。


博物館や美術館がこの界隈に集中している。平日でも空間全体がのんびりしていて、いつも休日のような雰囲気である。



トウチャコ~(火野正平風)。

現在の奏楽堂

この演奏会の主旨は、各専攻から選抜された優秀な学生がソリストとして芸大フィルと共演する、というもので、今日は、二人の学生の15分と22分のミニコンサートというプログラムである。

お目当ては後者の、三雲はるな(Vn)バルトーク「バイオリン協奏曲第1番」(22分)だ。

私はクラシックの素養がないのでよく分からぬが、バルトークと聞いただけで(小難しそうだ)というのは分かる。何せ中学生の時、同級生のK川君の家に行ったとき、彼が持っていたバルトークの「弦とチェレスタのための何とやら」を聴かされて、それ以来バルトークアレルギーな私はバルトークと聞いただけでひるんでしまうのである。当時の中学生でビートルズやローリング・ストーンズは知っていても、バルトークは普通知らんでしょうが、普通(笑)。

そんな私でもこの「バイオリン協奏曲第1番」はとても気持ちよく聴くことができた。音を楽しむということはこういうことですな。

コンサート終了後、道を挟んで南側の美術学部構内の美術館の展示を観に行く。




フィンランドの画家H・シャルフベック(1862-1946)の代表作を集めたもので、彼女の思春期から晩年の作品が順を追って展示されていた。天才的に巧い若人時代から写実を離れてゆく心の軌跡がよく分かるように紹介されていた。

フィンランドの国宝とされる『快復期』(1888)はともかく、私は、複数ある自画像の中の一枚、未完成の自画像の顔の部分のキャンバスにパレットナイフの荒々しい傷が残る小さな一枚の画が痛々しく、彼女の生身の人間としての懊悩が顕れていて強く印象に残った。

見終わって、ちょうど昼で、一般人も入れる学生食堂「大浦食堂」に入る。


私たちがこの空間にいるのは何か浮いているような気もするが、いや、気もするがじゃなく、浮いているのだが、私たちだって、この空間に溶け込める青年時代がたしかにあったのだ。何か懐かしいわ。


メンチカツと目玉焼き、冷や奴をつけても620円という安さで、さすが学生食堂である。

さて三鷹に帰って仕事をしよう。

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