2012年8月17日金曜日

平成24年8月16日(木) 晴れ

暑さが戻ってきた。盛夏である。

今から五十年あまり前、当時父の仕事や家族の関係で高松(香川県)の中心街から郊外の屋島に移り住んでいた。私は小学校低学年で、大人の世界の事情は知ることもなかった。

その当時の大人の多くは鬼籍の人となり私の両親もすでに遠逝している。今、色々なことを知っている人はわずかである。二年ばかりを屋島で暮らした。夏のおわりのころ、少し歩いた所に農業試験場だったと思うが確かではない、その関連施設だったかもわからないがそこへ母に連れられて行った記憶がある。そこは盛りを過ぎた野菜を分けてくれる所だったと思う。炎天の中埃立つ道を日傘を差した母と一緒に歩いたことをよく憶えている。その試験場に入り自分でうらなりのひねた胡瓜を好きなだけもいで貰って帰った。母が漬けたその曲がった胡瓜の糠漬けの味を懐かしく思い出す。

今の私の暮らしでは見ることもないが、私が四国の屋島で過ごした子供の頃のこういう炎天の日は乾いた道に陽炎が揺れ夕方の田の畦道には蚊柱が立っていた。


屋島山頂北嶺、獅子の霊巌(ししのれいがん)より瀬戸内海、女木(めぎ)島を臨む。

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