十日ぶりというと、そんなに間を空けたわけではないが、様子が一変している。
三月下旬、また季節がめぐり来て春の兆しを感じたわけだが、その後十日で、春は進み川辺はとても豊かな色彩に満ちて装いを変えていた。
花茣蓙(はなござ)または花筵(はなむしろ) |
イタドリの新芽が一斉に芽吹き始めた。古来食用や漢方に用いられてきた身近な野草である。
天文台の近くの民家に山桜の大きな樹がある。染井吉野(ソメイヨシノ)と違い、花と若葉がほぼ同じく芽吹いている。
本居宣長が詠んだ「敷島の大和心を人問はば、朝日に匂ふ山桜花」の、ヤマザクラである。
ヤマザクラ |
きのうの雨が「花散らしの雨」になるかと思われたが、花はもっている。春雨を吸った古木の幹は黒々と妖しく濡れ狂おしく美しい。
風に乗り舞いさかる散華は、切ないまでに私たちの心を揺さぶる。
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