2012年5月31日木曜日

平成24年5月30日(水) くもり時々晴れ

バイクで店に向かう途中、狭い道の信号のない交差点で自転車の女性とすれ違った。その女性は顔全体を覆う黒のサンバイザーを着けていた。こういう場合、相手の女性の顔の向き表情、視線の動きなどが全く見えないのでどういう動きをするのか予測がつかない。

例えばバイクなどでフルフェイスのミラーシールドなども相手の表情は全く見えないが方向指示器の使用や一方通行路など道交法の基本を守っている相手に対してはおよその動きは予測できる。しかし相手が自転車の場合ほとんど何でもありで、あなたそのうち死にますよと言ってやりたい乗り方をするのが実際いるのだ。

なのでこちらは必要以上に減速して事故の起こらぬよう配慮する。ご本人は紫外線対策の陽避けで使っているのだろう。サンバイザー着用自体はルール違反では無いのでこちらが気をつければ良いことなのだが、危なっかしいのに変わりはない。本人は見えているのだから問題ないと思っているのだろうが、あれを着けて自転車に乗るのは、結果的に使用者自ら危険に身を晒している事になるので事故のリスクを少しでも下げるために止めた方が良いと思う。

事故というのは自分がどんなに注意していても起きるときは起きる。きのうもバイクの帰り道で嫌な思いをした。ちょうど雨が降っていて視界が悪く路面も滑りやすい。ある信号で後ろに付いたトラック2トン車が車間をとらずについてくる。こちらはバイクなので千切ってやろうと思い速度を上げると同じようについてくる。(そうじゃないだろ)と思うが仕方ない。運転者の顔は見えぬが車の挙動からして多分若いのが運転していると思われる。見えなくとも車の動きで運転者の性別、年代などはほとんど読み間違えない。雨の日トラックに後方からベタ付きにされたら嫌なものだ。いちど止めて危ない旨を言うことも考えたが、昨今、いきなりグサリ事件があるのでそこまでの勇気はない。まあ途中で私が細い脇道に迂回したので何事もなかったが、自分の注意だけではすまないのが現実だ。

死んでから「おまえが悪い」とは相手に言えない。無事帰ることが第一である。

2012年5月30日水曜日

平成24年5月29日(火) くもり夜一時雨

このところ、油断をしていてシャワーの後、体重を量ったら予想通りであった。(泣)
元々は痩せの大食い、骨皮筋衛門(死語)で増える体重を気にすることなど皆無だった。というより太りたいほうだった。それが年齢と共に基礎代謝が落ち、いつもと同じ生活をしていると摂取カロリーが過剰になり、つまりは燃費の良いエコロジーな体質になったのだが、いつのまにか腹回りがデラックスになってしまった。

今更、誰かに対して体型を気にする事もないので、それもまた良しとして好きな物を飲み食いして楽しむか、禁欲的に己を律するかは好みの問題で、楽なのは前者なのだが、それで本当に良いのかと自問する内省的な気持ちも全くないわけではないので複雑だ。

こんな事を考えたり思ったりする事ができる状態のなんと弛緩したことかと思う。

海外から報道される、難民や飢餓、内紛による民族間の殺戮の連鎖、貧困などどれも日本に暮らしていると全く対岸の火事である。格差社会やワーキングプアなどが日本でも言われるが、低所得層と富裕層の収入差が日本ではせいぜい100倍くらいであって、社会が不安定な国はどこも1000倍を超える。GDP世界第二位に成長した中国は格差10000倍だ。何が起こっても不思議ではない。(この倍率は国連などの調査で発表されるジニ係数とは違って一般感覚的な私見である)

例えば上海の超高層高級マンションが群立し、年収数億がゴロゴロいる大都市からわずか100㎞ほどの農村部では年収2万円を切る層があり、親に靴を買ってもらえぬ裸足生活の子供が大勢いる。農機具の近代化なども出来ず、江戸時代のような農業が営まれている。当然人手が要るわけで農村部では一人っ子政策に反するため、無登録つまり戸籍のない者、つまり国民としての権利や国の保護を受けることができない者が数億人いるのは公然の秘密である。彼らがどのような眼で摩天楼を見つめているのかは想像に難くない。上海近辺はまだましで東北部の寒い地方へ行くともっと貧しく、埋めてすぐの死者の墓を泣く泣く掘り返す闇の臓器売買や泥棒が横行すると、ある親しい中国人に聞いたことがある。中国の繁栄の本質はそのくらいの貧困層の上になりたつ不安定な繁栄である。

アフリカなどでは一握りの都市生活者が富を占有する一方、生活用水を求めて片道何㎞も水汲みに行くのが当たり前の地域も多いと聞く。格差や貧困とはこういうことであり、働きもしない者がミネラルウオーターを飲んだりブランド物を身につけていたりしているのは世界中で日本だけであろう。

私は時々思うことがある。欧米の富裕層の寛容さ礼儀正しさ、他人に対しての思いやりなど彼らの社会が目指しているユートピアを日本はたまたま少しだけ実現しているのではないか。

物が行き渡り犯罪も少ない、地震で証明されたように多くの人は礼儀正しく略奪などは起こらなかった。このようなほぼ安全な社会は北欧の一部と日本だけだと思う。しかも北欧はどの国も人口が500万程度でスウェーデンで900万人だ。日本とはマネージメントの規模が違う。日本は一億人を超える人口を抱えていながら社会秩序の整った世界でも極めて特殊で希有な国である。

しかし、民主主義とは名ばかりで、政治家とは本来一番信用できる人間であるはずなのだが、日本では笑い話のような真逆が多く、監視機構(オンブズマン)もない。政治家と中央省庁の役人は金を使い放題かつ何かあったとき誰も責任を取らないという、一番渡してはいけない連中にお金を預けているのだから、国の借金も増えるのは当然の帰結である。いかん、いかん、つい熱く語ってしまった(笑)。

2012年5月27日日曜日

平成24年5月26日(土) 晴れ

TSUTAYAで借りていた『探偵はBARにいる』を観た。私立探偵、俺(大泉洋)が、札幌の歓楽街・すすきの・の、BAR「ケラーオオハタ」を窓口にした仕事を受けている。助手というか相棒の北大大学院生、高田(松田龍平)と共に事件に巻き込まれてゆく。共演者も小雪、高嶋政伸、西田敏行、田口トモロヲ、松重豊、など豪華だ。カルメン・マキも出ていて懐かしい。

コミカルであって、ハードボイルドな味付けの作品で、筋書きは途中で見えてくるが映画として成功作だと思う。面白かったので調べてみると、監督や主なスタッフがテレビ人気シリーズ「相棒」のチームだった。作風は違うが、この作品はスタッフが楽しんで制作したのだろう。興行的成功を前提に制作された張りぼて映画とはひと味違っている。


それにしても小雪はミステリアスな女がよく似合う。今世間ではウイスキーのハイボールがかつてない売れ筋になっているが彼女のCMに負うところが大きいと思う。現在のCMは菅野美穂に変わったが謎めいた女では小雪には及ばない。

私は一度だけ彼女を見たことがある。以前の仕事関係で店を貸し切ってドラマの撮影をしたときに出演者の彼女を見た。すらりと上背のある美しい女性で、どこか哀愁のある表情はカメラが回っていないときも同じだった。

今日ブログのプロフィールを手直しした。趣味の欄だが、読書や映画、バイクなどと書いていたが読書や映画は娯楽であって趣味というには抵抗があった。バイクも通勤で使ったり日常の実用的なものの範疇であり、レースに出場したりとか車体をいじり倒すような事はしないので趣味とはいえぬだろう。そうすると自分にはこれといって趣味らしいものはない。何かを集めるコレクターのような事もしたことがない。なのでこれからは堂々と無趣味で通そうと決めた。身軽が一番。裸にて生まれて来たるに何不足、である。

2012年5月26日土曜日

平成24年5月25日(金) くもり一時雨

吉祥寺のバウスシアターで上映している「ル・アーブルの靴みがき」を観に行く。変則上映で朝10時の一回目が終わると夕方以降の上映で昼間は別の作品を上映している。平日は店があるので朝の上映にする。三鷹からひと駅なので立っても座っても差はないが来た電車に乗ったら10時までは座席が使えない箱だった。


私は今、電車通勤をしていないので、この箱の満員の画は想像するしかないがシュールな世界である。



バウスシアター2の定員は50と少ない小さな箱だがレディスデイだったみたいで8割の入りでほとんど年配の女性客だった。

映画は、フランスの北西部ノルマンディー地方の小さな港町ル・アーブルを舞台に初老の靴磨きの男が、偶然に密航者のアフリカの少年をかくまう事になる事の顛末を軸に妻の病気など人生の重いテーマを挿れて物語に膨らみを持たせている。都会から取り残された田舎町の心優しい人々のつましい日常を描いていて見終わった後は静かな感動があった。

映画の後。吉祥寺東急デパートで、京都の「さいき家」が実演販売しているのを知っていたので、お目当ての、だし巻きを購入する。

だし6:たまご4の職人芸
自分でやってみると判るが出汁6に卵4の割合をうまく焼けるのは素人がなかなかできるものではない。

2012年5月24日木曜日

平成24年5月23日(水) 晴れ

昨日の雨はすっかり上がり気持ちよく晴れた。このところ晴れた日は特に湿度が低く感じられ少々気温が高くても爽やかなのだが、五月の下旬は毎年こんなに爽やかだっただろうか。

武蔵境駅周辺はおいしいパン屋さんが多い。中でも私の好きなパン屋は「DonQ」(ドンク)と「Passage à Niveau」(パサージュ・ア・ニヴォー)の二軒だ。ドンクは説明不要の老舗「青山ドンク」の武蔵境エミオ店だ。もう一軒は変わった名前で、訳すると、「踏切」である。この店は駅東側の以前踏切のあった場所(現在は高架下)にあり、店のガラスにも(ここには踏切がありました。その時のように、ここで足を止めて下さい)という意味のフランス語が書かれている。

都内のフレンチレストランではドンクのフランスパン(バゲットやパリジャン)を使っている店は多い。以前私が仕事をしていた店でもドンクのパンを使っていた。適度な塩味で料理やソースとの相性が良くレストラン向きである。比べて「踏切」パンのバゲットは対照的で単品で食べても十分おいしくパンが主張している。なのでその時の気分で使い分ける楽しみがある。

「踏切」パン

いちじくとクルミ入りライ麦パン

カレーパン(揚げてない、焼きパン)
上のセーグル・フリュイ(いちじくとクルミ入りライ麦パン)は15センチくらいの大きさで、ズシリと重く食べ応えがありとても美味しい。下のカレーパンは珍しく揚げパンではない。中のカレーが濃厚でこれも大変美味しい。どちらも一個¥200と、安くはないが食べてみれば納得の品質である。

「踏切」パンは武蔵境にひっそりとあるが、都心のどこに出しても大繁盛店になる実力を備えた名店である。

2012年5月23日水曜日

平成24年5月22日(火) 雨

三月の気温だそうで、たしかに肌寒い。バイクで店に出たのだが、夏用の濡れてもいいグローブ(手袋)を着けて出たらほんの十数分なのに濡れた手が痛くなるほどだった。

テレビは一日、東京スカイツリー開業のニュースを流している。あいにくの雨で来場した人は眺望を楽しめなくて残念だったと思うが、どの顔も高揚していてお祭り気分のようだった。TBSの「ひるおび」で、開業セレモニー時のテープカットに使われた裁ち鋏を紹介していた。地元墨田区にある「石宏製作所」という小さな工房が作ったハサミだそうだ。調べてみるとこの会社は主に医療用のハサミを受注生産している。職人の手作業だけで作り、どこにも負けない切れ味、品質が誇りだそうだ。スカイツリー開業時のテープカットに使いたいという話を持ち込んだところ、金メッキもしてないうちの製品でいいの?という、いかにも職人らしい控えめなやりとりがあったという裏話も披露された。この工房に着目した関係者の粋な発想に拍手を送る。

日本の最新鋭、最先端技術の結晶のようなスカイツリーと伝統的技術に裏打ちされた熟練工による手作業の職人技から生まれる製品はどちらも日本が世界に胸を張って誇れる素晴らしき財産である。

深夜「リーガルハイ」第6話(録画)を観る。このドラマは抜けて面白い。法律を扱うドラマだが現実感のないコミカルな仕立てなので飲みながら観るには最高の肴だ。主演の堺雅人の振り切った演技、新垣結衣の初々しさ、生瀬勝久や小池栄子の怪しさ、毎回登場するゲストの豪華な顔ぶれ、今回は鈴木京香だった。加えて里見浩太朗の落ち着きがドラマに華を添えている。

2012年5月22日火曜日

平成24年5月21日(月) くもり時々晴れ

朝、近所の子供の声が騒がしい。寝床でその喧噪をBGMに聞いていたが、だれかが発した「みえる、みえる」にハッとした。そうだ、金環蝕だ。時計を見るとちょうど午前7時くらいでリビングに降りて行くとテレビで各地の様子を中継している。私の住んでいる所は三鷹の国立天文台から歩いて5分ほどなのであるが、そちらの方からも賑やかな声が聞こえてくる。早朝から開放していて子供達の特別な学習の場になっているのかもしれない。

この日蝕については夜更かしの私にとって早朝のため、もうひとつ気合いが入らなかったのだが、たまたま起きてしまったのでその天体ショーを観察することができた。観察用のグラスもカミさんが用意してあったので交代で見た。

東京はうすぐもりであったが、午前7時30分過ぎは雲が切れ見事な金環蝕を見ることが出来た。この日蝕というのは太陽が黒くなることの異変に伴い、陽が翳ることにより、一時的に日暮れのような効果をもたらす。今日も、うすぐもりから周りの景色がかなり暗くなるのを感じた。天体の動きが解明されている現代ではこうやって楽しむことができるが、シャーマニズムの色濃い古代ではどうだったのだろうか、興味深いことである。

東京で金環蝕が見られるのは、300年後だそうである。そう言われてもね。


2012年5月20日日曜日

平成24年5月19日(土) 晴れ

爽やかな風が心地よい。家で本を読んでいたが、気分転換にバイクで出かける。以前からテレビで何度も紹介されていた、小平の「角上魚類」(かくじょうぎょるい)に向かう。変わった名前が印象に残るので一度聞けば忘れない。ここは新潟の寺泊港に本拠がある魚の卸問屋で直販システムで関東圏に魚専門店を展開している。三鷹からは東八道路を西に進み新小金井街道を北上、新青梅街道を西に進む。約30分の道のりだ。バイクにとっては風を感じながら走れる最も快適な季節である。


小平「角上魚類」隣に青果店がある




普通のスーパーの大きさで商品は全て海産品というのがすごい。ここのポリシーは、価格の安さを前面に出すのではなく、鮮度の良さ、魚種の多さが売りのようで確かに驚くような安さではないが、同品質なら首都圏では安いだろうと思える。

ちょっと覗いてみる冷やかし気分で行ったのだが、確かに安く「イクラの醤油漬」と「本マグロの中トロ落とし」に手が出てしまった。角上魚類、恐るべし(笑)!

2012年5月19日土曜日

平成24年5月18日(金) 晴れ(午後30分ほど雷雨あり)

ローカルな話題になるが、武蔵境北口のトヨタレンタカー東側に「丸亀製麺」が開店に向け工事を進めている。

讃岐と銘打っていて、かつ香川県の地名の丸亀を名乗っているので香川県の企業かと思い調べてみると、関西系で神戸本社の「トリドール」という会社が経営の一角『丸亀製麺』という名を冠した、うどんチェーン店の展開だった。つまり、香川の丸亀に本拠がある製麺所が、満を持して東京に進出、というのではなかった。私は讃岐、香川県高松の出身である。故郷の食文化が遍く拡散するのは喜ばしいことと素直に喜ぼう。ただ、地元香川では、自ら「讃岐うどん」を名乗る店は一軒もないと思う。

香川県では、人口99万人に対してうどん屋が約900店あると推計されている。東京都人口1200万人、コンビニ総数5700店(2009年度)を比べるといかに香川県にうどん店が突出して多いかが判る。交差点の信号の数とどちらが多いか、という冗談があるくらいだ。

ここでうどん文化について語るつもりはないが、今のような、讃岐うどんブームが起きたのは、香川の地元情報誌「TJかがわ」タウン情報香川で、当時の編集長、田尾和俊氏が「ゲリラうどん通ごっこ」をまとめた『恐るべきさぬきうどん』が世に出てからである。

だいたい「うどん」という食べ物は日常のありふれたもので少なくとも「ごちそう」でないのは共通の認識であろう。実際地元香川の人も食べる機会が他の土地より多いことすらブームの前は意識していなかったはずだ。加えて日常のものであるなら近所ですませていたことがほとんどである。

それを『恐るべきさぬきうどん』は地元のうどんに対する認識を含め、讃岐うどんを全国区に押し上げた。「香川県はうどんのテーマパークである」と言った某御大の名言がある。

いずれにせよ、開店が楽しみである。

2012年5月17日木曜日

平成24年5月16日(水) 晴れ

一日ごとに天候が大きく変わる。きのうの肌寒い雨模様から、今日は東京でも28度近い夏日となった。テレビのニュースで群馬の館林は本領発揮の29度越えとアナウンスしていた。重大なニュースではなく、今日は一日暑かったですね、という世間話的な軽いノリを狙った編集なので意図は理解できるが、館林や熊谷の人々は地名の擬人的扱いに苦笑しているのではないかと思う。ある日他の土地に暑さ比べで負けて、翌日勝てば、面目躍如の真夏日、とでもアナウンスされるのであろうか。

雑用がありバタバタしていて、読みかけのままになっている本が何冊かある。ここには書けぬ小用が、今週は小刻みにあり読了しそうもない。このブログは私の日記のようなものであるが、特定の読者だけに公開しているのではないので書けることと書けないことがあるのは当然である。


2012年5月15日火曜日

平成24年5月13日(日) 晴れ

これを書いているのは15日なのだが昨日14日は一日外出していて更新できなかったのでまとめて書くことにする。

昼から六本木ミッドタウンのサントリー美術館『毛利家の至宝展』に向かう。新宿に向かう電車内で不愉快な事があった。私と家内が座っている左隣に二十代と思われる若者の男二人が座っている。身なりも崩れた感じではなくいたって普通の若者に見えた。二人で携帯ゲーム機を遊んでいる。最近は子供じゃなくとも公共の場で大人が携帯ゲームで遊ぶ姿を目撃することは珍しくない。そこまではよい。電車が阿佐ヶ谷に到着し、喪服を着た三人の年配客が乗車してきた。内二人は私たちと同じくらいの夫婦に見え、後の一人がかなりの高齢者のご婦人で杖をついていて足許がおぼつかない。そしてその方が二人の若者の前に立たれた。反射的にどちらかが席を譲るだろうと思っていたら、全く眼中に無くゲームに昂じている。一駅過ぎても気がつく様子はない。連れの男性が強い眼で彼らを見ていたが席を譲れ、とはさすがに言わない。車内は混んでいて私の前にも人が立っていて声をかけるには少し距離があった。それに彼ら若者が立つだろうと思っていたので、私が席を譲るには間合い的に立ちそびれた格好になってしまった。

結局新宿までそのままだったのだが、なんとも居心地の悪い思いをした。周りの思惑を感じることもなくその二人は悠々と新宿で降りていった。いつの時代にも世をすねた人間や非道な連中は一定の割合で存在する。しかし今日の彼らはいたって普通の身なりも良い若者である。普通の若者の大半は席を譲るであろう。本当はまだまだ日本も捨てたものではないのだろう。しかしこういう若者を目撃する事がままあるのも事実である。社会に出るまでに習得していなければならない慣習や躾が身につかぬまま大人になったいるこの欠落した部分は彼らの人生にとっても社会にとっても良い事とはいえない。

地下鉄六本木からミッドタウンに通じる地下通路

三階にサントリー美術館がある


今回の目玉、雪舟の国宝「山水長巻」はもちろん見事なものだったが、中国風の水墨画は私には異文化的なものが感じられ唸るような感動はなかった。むしろ丸山応挙の「鯉魚図」三幅が印象に残った。テレビ番組「お宝鑑定団」に出てくる丸山応挙は本物だった例しはほとんど無いが、西国有数の大名家に伝わる応挙は本物である。

龍門鯉魚図

平成24年5月14日(月) 晴れ

シャッターの下絵を撮影する。

未完成

黒バックで何やらおどろおどろしいがこれはまだ下絵でここから描き込みが入る予定だ。笑門看板両側の塗装の剥離を何とかせねばならない。

昼間、新宿で赤坂某店舗の経営者氏と懇談、夕方から高円寺の友人J尾に声かけ飲むことにする。魚が美味い「四文屋」に直行、二階は昭和の香りの座敷がありおっさんのたまり場であるが、高円寺は住人の幅がひろく若い女性やお相撲さんも来ていた。

2012年5月13日日曜日

平成24年5月12日(土) 晴れ

昨年、店のシャッターが老朽化し新しくして以来、無地のままだった。前はカッティングシートを利用して自作のイラストと営業時間などを書いていたが、シャッタアートが面白いのではないか、と思いつき昨秋から計画だけは進行していた。「飲み会のような打ち合わせ」(笑)を重ねて今日にいたる。

メンバーは某美大OBの三人チームだ。たまたま自宅のご近所付き合いのN上さんから他のOBの方に声をかけていただき時間調整が難しい中なんとか実現した。



左からカミさん、N上さん、T市さん


夕方までかけて第一日目は終了、次回は未定(笑)、今日の終了時はすでに陽が落ちて暗くなっていたので、撮影していないが面白い事になりそうです。

2012年5月10日木曜日

平成24年5月9日(水) くもり時々雨

きのうは往きが歩きだったので復りはバスに乗った。23時24分三鷹駅南口発の「大沢十字路」行きである。本来は先の「天文台裏」が最寄り停留所であるが、この時間はふたつ手前の「大沢」か「大沢十字路」止まりしかないので来たのに乗り終点まで行く。遅い時間だが空いている事はない。終点でも常に五、六人は降りる。ところが今日は違った。最初からいつもよりは空いているなという印象だったが行程の半分ほどでガラガラになり終点のみっつ手前の「西野」で私だけになった。都会とはいえ日が変わろうとする時間に終点近くをたった一人の乗客を載せたバスは「トトロ」の猫バスの気分である。


運転手にしてもミラーで乗客を確認しているので一人でも乗っているのと空で走っているのとでは仕事の重さが違う。こちらはこちらでこの空間に運転手と二人だけという、この辺りではまず経験しないがゆえの停留所三つ分の短くも奇妙な緊張がある。終点が近く深夜なのでこれから誰かが乗ってくることはまずない。これはエレベーターも同じで大勢乗っているときは何ともないが、二人だけというのは居心地がよくない。箱の大きさは異なるがある種の密室という条件では見知らぬ人間と一対一の関係は人間の心理に動揺や不安をもたらす。エレベーターなどで用もないのに上を見たりするのはその顕れであろう。このバスは折り返しではなく車庫に帰るはずだ。運転手さん、おつかれさまでした。

2012年5月8日火曜日

平成24年5月7日(月) 晴れ

連休が終わりいつもの日常が始まる。今日は新聞が休刊だったこともあり昨日から相撲が始まったことや昨日のつくば市など北関東の竜巻の被害など、失念していてテレビのニュースを観て驚いた。

そういえば三鷹でもきのうの午後三時すぎ、雲行きがあやしくなりバラバラと音を立てて雨が降ったし一時的にかなり強い風が吹き荒れた。私の住む辺りはまだ大きなケヤキの樹が残っていて強い風が吹くたび大木の枝が風に煽られ生き物のように踊りゴォ~ゴォ~と幹や枝を鳴らす。夜などはまるで獣の咆哮さながらで恐い時すらある。都心のビルを吹き抜ける風とは音質が違い複雑なゆらぎに満ちているのだ。

今日は店が終わり閉めるとき、南の空に満月から二日経ってはいるが、いつもより大きなスーパームーンの名残り月が泛かんでいた。


2012年5月6日日曜日

平成24年5月5日(土) 晴れ

朝から快晴となった。昼は娘の誘いでカミさんと三人で近所の『吉田屋玄庵』に蕎麦を食べに行く。この蕎麦店は「食べログ」でも高い評価をうけていて細切りの香り高い蕎麦がおいしい。街中にある有名店とは違うので接客などを期待してはいけないが、誠実な仕事をしているのはよく判る。

きのうの飲み疲れもあり昼寝をして三時過ぎから、調布の国領神社の境内にある藤がきれいだから行こうとカミさんに耳を引っ張られ(笑)、車を出した。




境内が広いというのではないので圧巻とはいかぬが佳い香りが境内に満ちていた。
大型連休もあと一日、未読の『舟を編む』三浦しをん:を半分読む。出版社で辞書編纂に携わる主人公、馬締光也(まじめみつや)の周辺を軽い筆致で描いている。辞書編纂というと重い内容を連想するが読み出すとそうでないことはすぐに分かる。随所に出てくる笑いを誘う比喩が楽しい。

2012年5月5日土曜日

平成24年5月4日(金) くもり一時雨のち晴れ

きのうは一日雨でようやく上がったと思ったら午後になりまた降り始めた。庭の牡丹がそろそろ終わりだ。


玄関の脇にある鈴蘭もちょうど見頃だ。この鈴蘭は可憐な趣に反し花や根は強い毒を持っている。

今日は夕方から次男と婚約者のカップルが来た。明日二人で市役所に行き婚姻届を出す予定だそうだ。届けの証人のサインをする。式や披露宴は秋に行うので記念日が年に二度訪れることになる。

言祝ぎのしるしにシャンパンを用意した。シャンパンは最も華やかな飲み物のひとつである。

モエ・エ・シャンドン 2002ビンテージロゼ
夕方になり急速に天気が回復し東の空には虹が架かった。虹を見たのは何年ぶりだろう。


明日は子供の日で晴れの予報だ。二人は婚姻届を出した後、ディズニーランドに行く予定だそうだ。一年を通して最も混むハイシーズンに分かっていてあえて突入するというのも、またそれはそれで思い出となるのだろう。

2012年5月1日火曜日

平成24年4月30日(月) 晴れ

店は暦通りの営業なので今日も休みだ。今日までは晴天との予報、きのうから今日にかけて少しずつ家の小掃除をする。恒例とはいえ年末寒い中の大掃除は苦労が多いので我が家では春と秋の日和が良い日を選んで掃除をする事にしている。窓やリビングのサッシなどは今頃の暑くも寒くもない、風が心地よい日に掃除すると綺麗になってゆく達成感と昼下がりののんびりした空気を味わえて掃除が楽しくさえある。

ずっと家にいてもよいのだが爽やかな日は気分転換に外に出たくなる。風が心地よいのでバイクで出た。途中TSUTAYAに寄り本を購入。


少し前、『歪笑小説』を読んで面白かったのでこの「笑」シリーズ全部を揃えた。『東野圭吾公式ガイド』は著者本人が自作についてコメントするという内容で作品ごとの経緯などが語られていて興味深い。私は東野圭吾の作品はあまり読んでいないが、映像化される作品が多いのでタイトルだけはそれなりに知っている。

TSUTAYAを出て武蔵境の駅前にある公共施設「武蔵野プレイス」に立ち寄る。

右の楕円形の窓があるのが「武蔵野プレイス」
ここは武蔵野市の図書館と音楽練習室などを備えた複合施設である。

一階雑誌コーナー付近
中で上の写真を撮ったら、職員のおねえさんがすぐさま寄ってきて「施設内は許可を取らないと撮影は出来ません」とおっしゃる。一瞬、北朝鮮や中国が頭に浮かんだ(笑)。こういう場所での最低限のマナーとして、ストロボは使用していないし最初から一枚だけと決めていたのだが、そもそも美術館でもないのに施設内の撮影の何が不都合なのだろう?頭ではそう思ったが、もちろん私は従順な大人であるから「あ、わかりました」と言ってカメラを仕舞った。ということで撮影禁止をくぐり抜けた貴重な一枚の写真だ(笑)。