今日は暖かい。春本番にはまだ少し遠いが、春の予告編または春の試着といったところだ。
NHK,BSプレミアム『にっぽん縦断こころ旅』は火野正平が視聴者のお便りを読んでその思い出の地を自転車で訪れる、という番組だ。すでに秋の四国・山陽道・九州・沖縄編は終了したが、そのお便りの文面は直筆の手紙もあれば、ネットからのメールを手紙に起こしたと思われるものも多かった。
そのメールを手紙に起こした文面はとても字が美しいのだ。とても上手で読みやすくいわゆる教科書的なお手本の字で書かれている。しかし何か違和感を感じる。それは手紙の書き手の個性と、その人を表す字の個性が密着していないことから来る違和感だと思う。直筆の手紙には書いた人の筆跡のクセが出ていて、字の上手い下手も含めてそれがその人を表している。そこには生の人間の息遣いが伝わってくる。
番組としての見せ方は、視聴者のお便りを浜辺などで火野正平が読む。プリントした活字の手紙では雰囲気が出ないので、メールのお便りは手書き仕立てにする、しかしクセのある字で他人が他人の文章を書き写すのでは個性の乖離がもっと起きてしまう。なのでプロの筆耕が没個性的に書いているのではないかと思う。どんなに達筆で書かれていても、誰かが清書し直したと判る文面はやはり弱い。
その真逆にあるのが、野口英世の母の手紙だ。渡米したまま十年が過ぎても帰らぬ我が子に一目逢いたい一心で、学のない母がつたない字を必死で綴った文面が胸を打つ。
お前の出世にはみんな驚きました。私も喜んでおります。 中田の観音様に毎年、夜篭りをいたしました。 勉強をいくらしてもきりがありません。 鳥帽子という村からのお金の催促には困ってしまいます。 お前が戻ってきたら申し訳ができましょう。 春になるとみんな北海道に行ってしまいます。 私も心細くなります。 どうか早く帰ってきて下さい。 お金を送ってもらったことは誰にも聞かせません。 それを聞かせると、みんな呑まれてしまいます。 早く帰って来て下さい。 早く帰って来て下さい。 早く帰って来て下さい。 早く帰って来て下さい。一生の頼みであります。 西に向いては拝み、東に向いては拝んでおります。 北に向いては拝んでおります。 南に向いては拝んでおります。 ついたちには塩断ちをしております。 栄昌様についたちには、拝んでもらってます。 何を忘れてもこれは忘れません。 写真を見ると拝んでいます。 早く帰って来て下さい。 いつ帰れるか教えて下さい。 この返事を待っています。寝ても眠れません。 どんな達筆の書もこの母の手紙ほど人の心を打つことはない。字とはそういうものである。 |
お疲れ様です。
返信削除今日情報番組を見ていたら、四国初のセブンイレブンが高松の丸亀に出来たそうですね!!知ってましたか??
四国にはセブンは無かったなんて、結構衝撃でした。
セブンは昨年秋、サンクス系とのフランチャイズ契約を発表していたので四国進出は知ってましたが、始まったのですね。西の方は広島系の「ポプラ」などがあり地方色が楽しめるのだけど、セブンの進出でまた四国らしさがなくなりますね。
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