平成25年5月11日(土) 雨
午後から本降りになった。今まで休んでいたが、今日から試しに土曜日営業をしてみる。店のお客様はサラリーマンの方が九割なので、すぐに売り上げにつながるとは思えないが、別の潜在的な客層があるかもわからない。
二時になって遅い昼まかないを店で作る。作るといっても袋麺だ(笑)。
最近各メーカーがこの袋麺に力を入れていて、美味しいのが多くなった。
営業は、ぱらぱらのお客様で、それは予想通り、雨の影響はあまり関係ないと思う。まあしばらくやってみよう。
帰宅して、NHKBSプレミアム『空海 至宝と人生 第2集 名筆の誕生』(録画)を観る。空海二十四歳の時の真筆、国宝「聾瞽指帰」(ろうこしいき)の解説を聴きながら見ていて、この人は日本史上まさしく屈指の天才であることを、あらてめて教えられた。
後世に伝承される奇跡の数々、空海伝説は荒唐無稽なものも多いが、だから面白い。亡くなった噺家、名人三遊亭圓生が演じた『がまの油』の中で、「弘法の馬」のくだりがある。
ある日の夕刻、腹をすかせた弘法さんが通りかかった農家で女房が豆を煮ていた。「その豆を少し分けてくれんか」と頼んだところ、女房は惜しくなり、「これは馬に食わすもので、人が食べるものでない」と断る。すごすごとその場を弘法さんは立ち去った。
さてこの豆を亭主に食わせると、不思議や不思議、亭主の身体が馬になってしまった。驚いた女房が、息せき切って、弘法さんに追いつき、ころもの袖にとりすがり、「坊さん、許して下さい」と涙を流し懇願した。
弘法さんが、女の家に行くと、家の中に首うなだれた馬が悲しげにたたずんでいる。弘法さん、馬になった亭主の前へ進み出で、真言秘密の呪文を唱え、数珠打ち振るう、頭を打ち、手を打ち、肩を打ち、脚を打つ、みるみる元の姿に亭主は戻り、最後に脚の間に数珠打ち据えんとしたとき、女房これを制め「どうぞ坊さん、そこのところだけは馬並みにしといてくだされ」
これは落とし話に変えてあるが、空海の歩いた全国各地に色々な奇跡伝説は今も語られている。
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