私は空路で東京へ帰る選択肢もあったが、T中君は新大阪まで行き、北陸線サンダーバードで金沢まで、金沢から北陸新幹線で富山に帰るので新神戸まで一緒に行く。
私が新神戸で降りるのはせっかく新幹線で戻るのだから旅の途中で寄って友人の仏前に合掌に行くためだ。
雨の熊本駅前。
在来線建物2階のくまモン。
博多乗り換えなしの新大阪まで直通便に乗れた。
昨晩話していて印象に残ったクマさんの話をひとつ。彼は英語通訳の資格を持っていてヨーロッパの経験も長く、今でも現役で英語の仕事をしている。
彼はいろいろな国に行っているが、国によって出入国審査官(イミグレーション)が悪質な場合がままあるという。私も以前経験がある。これ以上不機嫌、無愛想な顔は出来ないだろうという表情でパスポートを突きだすように返されたことがある。社会主義国には多い。
あるとき審査官がパスポートを叩きつけるようにこちらに投げつけてきたそうだ。
さて問題です。そのとき彼はどうしたでしょうか?怒ったのか、無言でやられたまま通過したのか?
あなたならどうしますか?
答えは、彼は審査官に向かって、その審査官が投げたパスポートを指してこう言ったのです。
「Nice job」
相手はたいていはばつが悪くて苦笑いするようですね。
13時半に新神戸に着く。T中君とは「See you again」。
三ノ宮で友人の細君M子さんと娘さんのAちゃんと合流する。言わなければ夫婦と娘の親子連れである。
三ノ宮の「ミュンヘン」でしばらくお話。
この店のお洒落感はすばらしい。とても落ち着いた空間でゆったりと時間が流れていて大人が静かにグラスを傾けている。M子さんもそうだが、私もお気に入りの店である。
以前訪れたとき、パリの街角のカフェのテラス席のように、上品な老婦人がお一人でビールをおいて読書なさっていたことがある。ああいう風に歳を取りたいものだ、と思ったことを想い出した。
今晩はM子さんのご厚意でお家に泊めていただく。夜、長男のS君も仕事から帰ってきていろいろ故人のことを話す。今回の小旅行はぐだぐだに飲みっぱなしであるが、だらしないとは思わない。会いたい人と会うことができた充実した旅である。
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