何時起床というのだろう。連続では寝ていない。前日の朝から点滴、食事抜き、そして全身麻酔手術を終えひと晩越したわけだが、傷の痛みより、環境の悪さ、もちろんアルコール抜きの食事抜きで点滴と心電図計をぶら下げて寝られるわけがない。
では起きて読書でもしていればいいではないか、と思うのだが、そこまで頭はクリアじゃない。全身麻酔は体全体の機能、意識、呼吸、反射などを一時的に止めるわけだから、そこから回復するのは時間がかかる。
それでも明け方になり気持ちよくうつらうつらしていて離床したのが6時。ちょうどこの時間になって点滴終了。体に付けられている機材が外されやっと解放された。
10時に術後の診察があり
担当医「大丈夫ですね。午前中に退院しますか?」
私「お願いします!」(笑)
12時過ぎ帰宅。
病院でお土産をいただいた。包装されている。これを右鎖骨より除去したのだ。
摘出という言い方もあるが、摘出は「つまみだす」という意味合いが強く「弾丸を摘出する」には使うが、ここまで大きいと「異物除去」のようだ。
特殊皿ネジのタッピングビスで頭部は星形トルクスのチタン製。バイク向け汎用ネジと違い高そうだ、いくらするのだろう(笑)。
「stryker」という字が見える。検索してみると医療器具に特化した日本の会社だった。チタンプレートも様々な形状があり手術現場で執刀医が最適な物をチョイスできるシステムのようだ。日本の技術力を見る思いだ。
これにおよそ1年近く世話になっていたのだ。ビスを除去した痕の穴はひと月もすれば自然にふさがるそうだ。もちろんその間、強い負荷をかけてはいけないが普通の生活なら問題はないとのこと。10日後の抜糸がすめば、それで通院は終わりになります、と言われた。
一年越しの負傷の精算がようやく終わる。これが体内に残っていたのだ。今、手にしてしみじみと見る。素直にうれしい。
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