普段は小さいショルダーバッグを掛けての散歩だが、今日は気合いを入れてこのままマラソン大会に出場できるようなランニングスタイルで、家の鍵とカメラだけを持って出る。
息が上がらぬように最初は意識してゆっくりゆっくり歩幅も小さくして走る。カメラを持って出たが、走るのに専念することにして途中で一度だけ立ち止まり野川を撮す。
半分走った時点で、ペースを上げなければ大丈夫、完走できることを確信する。たかが4キロの距離なのだが、まったく運動らしい運動をしてなかった二年ほど前までは、どこに行くのも車やバイクを利用し、たまに15分ほど歩けば翌日筋肉痛になるほどの運動不足で、横断歩道の小走りでさえおぼつかなくなっていたのだ。
天文台の構内を抜けて家の手前100メートルほどでクールダウンのため「歩き」に変えた。
約30分で完走できた。かかった時間は遅いがとにかく走り通せたので良しとする。
参考写真(笑) |
食後、二階のテラスベールに移動してコーヒーブレイク。
先日買ったマタギの村の記録『越後三面山人記(えちご・みおもて・やまんど・き)』を最初から精読する。
少しだけ書き出してみる。
「オラ達は、子供のころから山歩いてるさで、人間のことより自然のことの方がわかる衆だ。山人はでな。常にここで滑ったらどうしようとか、理屈でなく身についてしまってるんだな。山のことでも、獣のことでも、山人だばよく知ってるもんだ。また、知らねば生きていげねぇすけ。山をあなどってはなんねぇんだ。自然というものはおっかねぇもんだ。そのおっかなさがわからねば一人前の山人にはなれねぇんだな。かといって知り尽くすなんてこともできねぇことだ。だから山人はいつでも学ぶんさ。オラ達は山さ遊びに行くんじゃねぇすけ。仕事だ。生活のためだものな」(26~27頁)
著者はクマ狩りに同行取材した時に、クマを発見してからの彼らの動きが一変してまさに“天狗のように山を翔ぶ”と書いている。
「山の技量ってものは登りではわからねぇもんだ。下りだ。斜面をどう下るか。そこが素人と山人の違いの一つだな」(18頁)
彼らが言う下りとは、もちろん登山道ではない。道なき山の中を駆け巡る人達の話である。
仕事ではなく遊びで山歩きの真似事をしている身にとっては、彼らが途方もなく凄い人達であることを理解するのみである。
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