朝から上空を報道ヘリが飛んでいる。きのうよりは少ないが、複数機飛んでいるので気になり出すと耳障りだ。きのうは一時、ヘリ同士がぶつかるのではないか、とハラハラするほど多くの機体が上空を旋回していた。
いつもはのんびりした静かな調布空港が、今は悪い意味で全国の注目の的になった。
朝昼兼の細麺冷やしうどん。私は讃岐(香川県)人で普通にうどんを食べるが、うどんが特に好きなわけではない。黒人全員ダンスが上手く、走るのが速いわけではないのと同じである(笑)。
きのうに続いて猛暑日となった。FMを点けるとちょうどボサノバ系の音楽が流れている。暑い日は南米系の音楽がよく合う。
きのう図書館で借りてきた『山の自然学』小泉武栄:著を読む。日本各地の山を対象にとりあげて、それぞれが持つ「自然の秘密」のようなものを、学問的ではなく平易な解説で書かれている。
どこから読んでもよい構成なのでちょっとした時間潰しには最適だ。
冒頭の礼文島からいきなり面白い。北海道、稚内の西およそ50キロに浮かぶ小島、礼文島。
この島は高山植物の宝庫で、海岸線から高山植物が生育している。
そう聞けば、日本最北端の島で寒いから当然だ、と思いやすいが、それでは、さらに北の樺太やカムチャッカ半島、ロシアで同じような植生を見ようと思えば、高地か極北のツンドラ地帯まで行かなければならないのだから、説明がつかない。
なぜこの島は奇跡的に高山植物の宝庫「花の浮島」となったのか、の謎解きがある。
これは二万年ほど前の氷河時代の植物群がそのまま残ったのだそうだ。こういう現象をレリック(残存種)という言葉を初めて知った。
二万年前は氷河でこの島も北海道も大陸と陸続きであり、広くツンドラ植物群が分布していたが温暖化になり海面が上昇した結果、礼文島は早い時期に孤立して、ツンドラ植物群の北方移動、高地への上昇、避難から取り残された結果だという。
ガッテン、ガッテン。
私は今から40数年以上前の19歳の晩秋にひとり旅でこの島を訪れたことがある。香深(かふか・かぶか)という港に着くのだが、稚内からの連絡船の折り返しで、多くの男達が乗船した。それは本土へ出稼ぎに行く働き盛りの男達だった。見送りの女性や老人、子供たちの「がんばってや~」という励ましと悲しみの混じった声が耳に残る。
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