農家の庭先でクマに襲われた話などの事故も含めていくつかの例があった。中でも、酪農家の牛舎の餌を求めて毎日やってくる個体を取材のカメラが捉えていて、人の気配に気づいたクマが、カメラの方に一気に駆け寄ってきた場面があった。
これはどうなるのか、と思った瞬間CM。。。というお約束を繰り返す事三度目に、向かって来たクマはカメラの直前を横切って逃げていったのだが、カメラはワンボックスカーとおぼしき車内から撮影しているのが判るという、編集テクニックを見せてもらった(笑)。
後から考えてみれば、クマが突進して来ているのに、生身で冷静にカメラを廻し続けていられるわけないじゃん、という話ではある。
編集の仕方によってはクマは危険な動物ということにもなるが、実際の数字、目撃数や人との遭遇数を合わせて、その内どのくらいの割合で負傷事故につながるのかを数字で摺り合わせないと実態は見えてこない。
調べていたら、「北海道野生動物研究所」というサイトがあり、ヒグマについて色々書かれている。
ヒグマの実像
長いのでヒグマに対する対処法を抜粋引用する。
[36] 熊に対して一般人は、どう対応すべきかを 、私が実際に行っている事をお話しします。先ず、北海道で、山菜採りし得る場所は、熊と遭遇する可能性があることを認識し、その準備をして入るべきです。準備として、ホイッスルと鉈を携帯すること。そして、現場に入った場合は、熊が居ないか、辺り全体をよく見ながら進むこと。私は時々立ち止まって、そこから見渡せる範囲の山林や藪や両側の斜面を見、熊の有無や熊の痕跡の有無を探ります。[37] 万が一、熊を見つけた場合は、熊が何をしているか見 、私の方によって来そうな場合は、穏やかな声で、ホッホッホッと声を掛ける。これで、多くの熊は声の主を見て、やおら、立ち去る。先日も知床で、私に気づかずに近づいて来る大きな熊と 20m 程の距離で出会い、ホッホッホッと声を掛けたら、その熊は終始穏やかな目(目付きが変わらない目)で、私を見て、やおら草付きの崖を10m程登り、私の後に下りて、ゆっくり立ち去って行きました。成獣の熊は大体、このような対応を人にします。[38] 時に、熊は立ち上がって、人の方を見ることがあるが 、これは、熊が立ち上がることで、熊は目線を高くして、辺りを見やるために行う動作で、威嚇ではありません。また、なかなか、熊が立ち去らない場合は、少し大声でホッホッホッと声を掛け、熊を動きを見ながら熊から離れる事にしています。[39] もし、熊が近づいて来たら、ドスの利いた声で、熊を叱りつけること にしています。人が強いことを、熊に識らせること(これが最も肝心な事です)。知床の奥に 19 号番屋と言う漁師の拠点があり、 10 数人の漁師が、5月から11月末迄の間常住しており、そこは北海道で一番多く熊が出て来る場所で、私もこの10月から熊の調査で、この場所に行っているのですが、ここの 77 歳の大瀬さんと言う親方 ( 社長 ) は、昭和 39 年から50年間ここに、日々いて、日本で最も多くの熊に遭遇している人ですが、大瀬さんが言うには、熊が近づいて来た場合には、熊の目を睨みながら、ドスをきかせた声で、「コラット」と、言えば、必ず熊は立ち去る。なかなか、立ち去らない場合でも、幾度か「コラット」「コラット」と言えば、立ち去るもので、これまで何十頭もの熊を追い返したと言う事です。私は熊の目は見ますが、睨み続けることはせず、 目の表情から、熊の心を見やることにしています。熊は目で、いろいろな気持ちを語っています 。しかし、私は熊に掛かられたら、ひるまず鉈で応戦することを、常に頭に置いて行動しています 。
これは現実の体験から導かれた知恵でとても参考になる。クマと鉢合わせしたとき、毅然として、
「気をつけ~!回れ右!進め!」と号令をかけたらクマは素直に従った、という笑い話のような話をどこかで読んだ事があるが、あながち嘘とは思えない気もする。
山を歩いていてクマを見かけたことは一度もないが、知識として相手を知っておくことは重要である。
きのうから熊ネタで引っぱるな~(笑)。
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