八階の会場入り口に着いて驚いた。入場券を買う行列が出来ている。たまたま招待券を持っていたのですぐに入れたが、中はすごい人でまともに鑑賞できる状態ではなかった。
NHKの日曜美術館で年末と年明けに再放送された『郷愁に染まる風景~版画家川瀬巴水』をお正月休みで観た人が多かったのだろう。混んでいることは予想していたが、呆れるほどの人で、観る気が失せほとんど素通りして退散することになった。
人の頭を鑑賞するのに電車賃と時間を使ってしまった。昨年三月に横浜で観たときは静かなものでゆっくり鑑賞したからまあいいか。
歩いて東京駅まで行く。
中央線に乗り一旦新宿に立ち寄る。
伊勢丹で京都展をやっていて大徳寺の「さいき家」がだし巻きを実演販売しているのを調べていたのだ。
一度帰宅して遠藤と逸ノ城の相撲を観てから出かける。
カミさんのテニス仲間の新年会に私も参加する。私はテニスをしないが毎年新年会だけには参加させていただいているので皆さん顔見知りである。それぞれ酒と料理を持ち寄る。
モザイクをかけなくてもよいとは思うが一応プライバシー保護ね。四組の夫婦八人の集まりである。
「さいき家」のだし巻きはとても評判が良かったので紹介した甲斐があった。もちろん全員大人なのでリップサービスというのはあるが、箸の出方を見れば判るものである。
Hさんの奥様は早速スマホで東京での実演販売日をチェックされていた。四捨五入すれば同じ世代の方ばかりの集まりだが、女性はフェイスブックやラインを使っている方もいた。日常の何気ないコミュニケーション能力は女性の方が上であり気軽に友達もできるのだろう。女性の世界は渡辺淳一の『孤舟』の主人公のような孤独で孤立した男性像とは縁がなさそうである。
孤独は楽しめるが孤立は楽しめない。孤独は独りではあるが、他者との関わりにおいて双方向が閉じているのではない。孤独は選択肢であるため他者を必要としない。孤独から孤立へ移行することはあるが、孤立から孤独に移行しするのは難しい。なぜなら孤立は他者に背を向けられた断絶状態、ストロークゼロであり、孤立から「他者を必要としない孤独」に移行するには他者が必要だからである。
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