会場は日本橋社会教育会館で人形町の交差点から歩いて四、五分の所だ。
プロの方を交えての長唄(歌舞伎の伴奏音楽)の発表会でNさんの演目は『勧進帳』のタテ(リードヴォーカル)であった。
私自身はこういった稽古事は全く縁がないが、亡くなった明治生まれの祖父が、芸事が好きで長唄の三味線をやっていて杵屋勝允(きねや・かつのぶ)という名前まで持っていた。
センターの男性Nさん |
日本の伝統文化にふれた後、せっかく人形町にきたので人形師の辻村寿三郎さんの「ジュサブロー館」を訪ねた。ここも人形町の交差点からは二、三分の距離である。
辻村寿三郎と言えば、40年ほど前NHKの人形劇『新八犬伝』で一躍全国に名前が知れ渡った方である。現在四十代後半より上の世代はリアルタイムで知っている方も多いと思う。
あの「玉梓(たまずさ)が怨霊」の怖さは今でも目に焼き付いている。
中に入ると作品の展示、グッズや写真集の販売があり、幸運なことに今日は店の奥で人形制作教室をやってらしてご本人がいらっしゃった。「拝見させていただきます」とご挨拶すると、中から出てこられて気さくに「どうぞ、ごゆっくり」とお声をかけてくださった。
新八犬伝の話をすると「皆さん、そればっかり」と苦笑いのようにおっしゃっていたので、ご本人にとっては耳タコの話題だったのだ。私もその皆さんの一人になってしまった。失礼しました。
それでも気分を害されたということはなく、新八犬伝当時の人形で壊れかけたものを持ってこられて、直して「壁掛け」にしようかと考えている、と見せていただいた。
ものは試しで厚かましく、写真をお願いしたら快諾してくださり家内とのツーショットを撮らせていただいた。ありがとうございました。家内大喜び(笑)。
ジュサブロー館はこちら
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