2013年11月27日水曜日

『村上春樹いじり』という本が出版された。

この本は、しばらく前、Amazon『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹:著のカスタマーレビューで、星★☆☆☆☆一つの酷評にもかかわらず、過去に例を見ない2万人を超える人から「このレビューが参考になった」と一時話題を集めたドリーという人が書いている。

そのAmazonのレビューに付けられたコメントは村上ファンとアンチ村上が入り交じってすごいことになっていたが、要は朝食は「クロワッサンと紅茶」がいいのか「炊きたてごはんに納豆」がいいのかで喧嘩しているようなもので、好みの問題であるから結論は出ない。

ちなみに私は村上春樹をいくつか読んだが特にファンではない。読みかけて途中でそのまま読了せずになった作品も多い。・・・・・・が『海辺のカフカ』は読了したし、読後感もとてもよかった。

村上作品の多くに共通しているのは『海辺のカフカ』でもそうだが、私たちが今生きているこちら側と、人が踏み入れることの出来ないあちら側の世界を私たちに垣間見せる仕掛けが多い。

この現実を離れてこちらとあちらを逍遥する世界観、その白昼夢のような浮遊感は作品のプロットがどうであれ宗教や文化を超えたプリミティブな神秘性を帯び、それが世界の読者を惹きつけているのではないかと私は思っている。

村上春樹論では内田樹氏が何かで村上春樹の作品は神話的と書いていたが、日本の神話はもとより、村上春樹、彼の作品はギリシャやローマ神話のように神の系譜を連綿と綴る物語(人間的ですらある)ではなく、どちらかというと柳田国男や宮本常一が研究した土着的要素の色濃い神秘体験的伝承、それは神話ではなく、いわば「神隠し」などに代表される畏怖を下敷きにした庶民的な世界共通の民話的物語を作品に反映させているように私は思う。

『村上春樹いじり』をざっと通読した。村上作品13作の、いや~まさしく圧巻「いじり」であった。これだけ細部に渡った「ツッコミ」は芸の域である。これを書いたドリーという人は1990年生まれ、とあるから現在まだ20代の若者である。面白い切り口で色んなことを書く人がいるものだ。

ハルキストの方々は気分が悪いだろうが、思わず声を出して笑いそうになる箇所が何度もあった。物真似のプロ「コロッケ」が色々なスターをデフォルメして演じているのを見せられるあの感覚だ。

コロッケが滅茶苦茶なことをやろうが真似された本家の評価が揺らぐわけではない。

村上春樹氏自身がこの『村上春樹いじり』をご存じかどうかは知る由もないが、もし読まれたとしても(面白いことを書くのがいるなあ)と苦笑されるのでないかと勝手に想像する。


野川歩きは休まずに出かけている。野川から天文台を歩く。



見学者は正門に廻って下さい、との但し書きがあるが、誰もいないので。。。そういうことである。






深夜『ミス・パイロット』(第7話録画)を観る。堀北真希のファンではないがついつい見てしまう。

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